エアバランサとは
ミヤケエアバランサは、バランサとしてのバランス機能とホイストとしての昇降機能を兼ね備えたユニークなエア機器です。ホイストと同じように操作ハンドルのレバー又は押釦操作によって吊上げ物を上昇・下降できるほか、バランスレバーを切り換えると空気圧の自動制御により吊上げ物を無重力に近い状態に保つことができます。従って重量物の取り扱いや微調整の必要な組立作業にはこのミヤケエアバランサを使用することにより作業の迅速化、省力化、簡略化など大きな効果が発揮できます。
特徴
- 「吊り上げ荷重が変わっても調整は不要」 昇降動作により荷重を自動的に検知しますので、荷重が変わっても同じ操作でバランスします。(A型・標準形)
- 「操作が簡単」 操作ハンドルのレバー操作でバランス・上昇・下降が自由に選べます。
- 「安全」 エアの供給が断たれても吊った品物は急に落下しません。また、駆動源がエアですから防爆仕様となっています。
- 「小さな力で品物を動かせます」 バランス状態で品物にわずかな力を加えるだけで、品物を軽く動かせます。
- 「速度調整が可能」 上昇・下降共に速度調整ができます。
■用途と使用例
用途
吸着による移載に(BV形)
ツールバランサ用に(T形)
工作機械へのワーク着脱に(DL形)
防爆仕様に(エンジンテスト)(A形)
歯車の精密嵌合に(A形)
棚への出し入れに(A形)
梱包物の移載に(A形)
製品の移載に(A形)
使用例
防爆仕様
傷つきやすいものの組付作業に
工作機械へのワーク着脱に
薄板物のバキュームによるハンドリング
低い天井へのバランスシリングの適用
天井取付で作業範囲を広く
その他さまざまな使用方法があります。お気軽にご相談ください。
機種による使い分け
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条件 | ||
---|---|---|---|
使い方 | 設置 | ||
機種 | バランスホイスト | ●昇降ストロークが長い場合 ●ワイヤロープ吊が適当な場合 ●横行・走行が必要な場合 | ●デッドスペースが小さいため、天井が低くても設置できます ●本体の走行用レール設置が必要です |
バランスシリンダ | ●横行・走行が必要な場合 | ●ストロークの倍以上の高さが必要なため、天井の低い建屋では設置しにくい ●ストロークの短いとき、又は天井の高いときは設置できます ●フック吊設置をしたいとき |
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バランスアーム | ●施回、水平移動が必要な場合 ●移動範囲が限定される場合 ●支持腕が必要な場合 | ●天井設置が不可能で床上設置が必要なとき |
機種一覧表
機種 | 形式 | 最大吊上荷重(kgf) | 揚程(mm) |
---|---|---|---|
バランスホイスト | LD100 | 100 | 1,500 |
LD150 | 150 | ||
LD180P | 180 | 750 | |
バランスシリンダ | LY50 5 | 50 | 480 |
LY50 10 | 980 | ||
LY50 15 | 1,480 | ||
LY80 5 | 80 | 480 | |
LY80 10 | 980 | ||
LY80 15 | 1,480 | ||
LY140 5 | 140 | 480 | |
LY140 10 | 980 | ||
LY140 15 | 1,480 | ||
LY220 5 | 220 | 480 | |
LY220 10 | 980 | ||
LY220 15 | 1,480 | ||
バランスアーム | LA60 | 60 | 1,300 |
LA130 | 130 | ||
LA230 | 230 |
注)最大吊上荷重は供給空気圧6kgf/㎠の場合を示します。
制御方式一覧表
機種 | 制御方式 | 呼称 | 項目 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
機能 | 操作 | ||||||||||
上昇 | 下降 | バランス | バランス 切替前に 上昇動作 が必要 | バランス切替 | |||||||
品物 | 治具 | 手動 | 自動 | ||||||||
要 調整 | 調整 不要 | 要 調整 | 調整 不要 | ||||||||
バランスホイスト バランスシリンダ バランスアーム | A標準 | オールロード | ● | ● | ● | ● | ● | ● | |||
AA | オート | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||||
BM | ダブルメカ | ● | ● | ● | |||||||
BV | ダブルバキューム | ● | ● | ● | |||||||
AV | オートロードブイ | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||||
AT | オートロードツール | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||||
T | ツール | ● | ● |
選定基準
■操作勝手による基準
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制御方式 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
A | AA | BM | BV | AV | AT | T | DL | ||
作業 条件 | 品物の重量が頻繁に(その都度)変わる | ◎ | ◎ | ▲ | - | - | ◎ | - | ◎ |
品物の重量は、ほとんど(ある生産ロットで)変わらない | ● | ● | ◎ | - | - | ● | - | ● | |
品物の重量はある生産ロットで変わらず 又はサイクルタイムが短い(30秒) | - | - | ◎ | - | - | - | - | - | |
品物の重量がその都度変わり、又薄物あるいは、 傷つきやすいためクランプできない | - | - | - | - | ◎ | - | - | - | |
品物の重量は生産ロットで変わらず、又薄物あるいは、 傷つきやすいためクランプできない | - | - | - | ◎ | ● | - | - | - | |
品物の重量は生産ロットで変わらず、又薄物あるいは、 傷つきやすく、サイクルタイムが短い(30秒) | - | - | - | ◎ | - | - | - | - | |
品物の重量はその都度変わり、治具は常に均合支持させる | - | - | - | - | - | ◎ | - | - | |
品物の重量はその都度変わり、バランス切り換えが必要だが 切換操作が面倒である | - | ◎ | - | - | - | - | - | - | |
一定重量の工具をハンドリングしたい | ▲ | ▲ | ● | - | - | - | ◎ | - | |
その都度重量の変わる品物が横からクランプしてあり それを外したい | - | - | - | - | - | - | - | ◎ | |
一定重量の品物が横からクランプしてありそれを外したい | - | - | ◎ | - | - | - | - | ● | |
切削物等で横からクランプしてあるもので素材重量と仕上がりで 重量に差があるもの | - | - | - | - | - | - | - | ◎ | |
切削物等で横からクランプしてあるもので素材と仕上がりで 重量に差がなく一定重量のも | - | - | ◎ | - | - | - | - | ● | |
通気性のよいボード状のもの (マイナス圧力150mmHg以下のもの) | × | × | × | × | × | × | × | × | |
品物を吊上げたままで重量が変化する場合 ※但し人力を加えることにより操作ができる場合は可能です。 | × | × | × | × | × | × | × | × |
■機種による基準
| 機種 | ||||||
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バランスホイスト | バランスシリンダ | バランスアーム | |||||
条件 | 設置天井高さが 低い |
昇降ストロークが大きくいる時 | ◎ | - | - | ||
昇降ストロークが小さくてもよい時 | ◎ | ◎ | - | ||||
走行が必要なとき | ◎ | レールを設置する | ◎ | レール・トロリーを 設置する | ◎ | ||
旋回が必要なとき | - | - | ◎ | ||||
バランサ本体をフック吊りするとき | × | ◎ | × | ||||
床上設置 | ▲ | 架台が必要 | ▲ | 架台が必要 | ◎ | ||
建屋概設レールを使用 | ◎ | ● | トロリー設置 | - | |||
吊上げた品物を棚のような上下障害物の間に移動 | - | - | ◎ | ||||
設置位置を変え使用する | ● | ◎ | × |
■適用記号の説明
◎:最適適用品 ●:適用はできるが最適はない ▲:かなり無理な使い勝手になる
-:ほとんど適用でない ×:絶対適用できない